日本の企業において、特に役員クラスとの対話には、それ相応の覚悟と準備が必要です。これを軽視するコンサルタントは、結果として信頼を失うだけでなく、クライアントにも迷惑をかけることになります。自信を持つことは重要ですが、それが単なる自己満足に過ぎない場合、その「自信」は何の役にも立ちません。
まず、準備不足のコンサルタントに共通するのは、クライアントの企業について十分なリサーチを行わず、単なる箇条書きの提案を持ち込むことです。彼らは、提案が受け入れられれば成功、受け入れられなければ次のクライアントへと移る、という表面的なアプローチに終始します。このような方法では、ほとんどの場合提案は受け入れられず、9割型の失敗に終わるのは当然です。彼らの狙いは、数多くの提案を行い、たまたま当たることを期待するのみです。
しかし、近代的なコンサルティング会社では、業界や特定のアカウントを深く理解し、フルカバーを目指す姿勢が求められています。そのため、表面的なアプローチを取るコンサルタントは、担当者にとっては迷惑な存在となり、最終的には不要と見なされるでしょう。
成功するためには、クライアントの業界、企業文化、経営課題を深く理解し、その上で緻密な提案を行うことが求められます。特に役員との対話においては、単なる「自信」ではなく、確固たる「準備」がその自信を裏付けるものでなければなりません。それができないコンサルタントは、いずれ淘汰される運命にあります。
真に信頼されるコンサルタントであるためには、まずは徹底的な準備を行い、クライアントの真のニーズに応える姿勢を持つことが不可欠です。それこそが、現代のコンサルティングにおいて求められる覚悟です。
