経営と戦略と戦略コンサル

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2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ODAの未来戦略:予算規模拡大に向けた指針

国際社会における日本の役割を担うODA(政府開発援助)は、これまでの実績に加え、さらなる予算規模の拡大が議論されています。しかし、予算を増やすだけでは真の価値を創出できません。持続可能かつ効果的なODAを実現するためには、戦略的なアプローチが求…

未来の携帯電話の進化とビジネスチャンスの予測

携帯電話は過去数十年で劇的な進化を遂げ、今や単なる通信ツールから、個人の情報ハブ、ビジネスプラットフォーム、そしてエンターテインメントデバイスへと変貌しました。では、これからどのように進化するのでしょうか。そして、その進化はどのような新し…

商社とプライベートエクイティはなぜ協業しないのか

商社とプライベートエクイティ(PE)は、表面的には非常に似た性質を持っています。どちらも資本力を活かし、企業やプロジェクトに投資して成長を促進し、最終的に利益を得ることを目的としています。しかし、両者が直接協業するケースは稀です。なぜでしょ…

賃上げは「想定外」か?日本企業の抜けている視点

最近、賃金引き上げに関するニュースが多く見受けられます。政府やメディアは企業に賃上げを促し、それがまるで突然の要求かのように報じられることが少なくありません。しかし、実際のところ、賃上げは企業経営の中で「想定外」であるべきなのでしょうか。 …

ベトナムで半導体ビジネスは成り立つのか?

近年、グローバルサプライチェーンの脆弱性が露呈し、各国が半導体供給の安定化に向けた施策を強化しています。この中で、注目を集めているのが新興国での製造拠点の拡大です。その候補の一つとして急成長しているベトナムが挙げられますが、本当にベトナム…

富士登山観光における成長戦略:オーバーツーリズムの課題を越えて

富士山は、日本の象徴であり、世界遺産として毎年数百万人が訪れる観光地です。しかし、近年、オーバーツーリズムが深刻化し、環境破壊や混雑が問題となっています。2023年夏には過去最多の登山客が訪れ、静岡県は対応策として登山者の数を制限する方針を打…

企業経営におけるROEの低迷をどのように打開するか

近年、多くの企業がROE(自己資本利益率)の低迷に直面しています。ROEは株主資本に対する利益の効率を示す指標であり、経営の質を評価する重要な要素です。しかし、ROEの低迷が続くと、株主や投資家からの評価が下がり、企業価値の向上に影響を及ぼします。…

日本におけるコインランドリービジネスの成長戦略

コインランドリービジネスは、ここ数年で急速に成長を遂げ、日本の都市部から地方までその存在感を増しています。特に、家事の時短ニーズや共働き世帯の増加に伴い、その利便性は広く支持されるようになりました。しかし、ビジネスとしての成長を維持し続け…

東京メトロの上場は単なる株主の交代か?そのメリットとリスクを考える

2024年、東京メトロの上場が取り沙汰されている。都民や鉄道ファンにとっては大きなニュースであり、期待感も高いが、この上場は本当に東京メトロにとって意味があるのかを冷静に考える必要がある。 1. 上場の本質:単なる株主の交代? 東京メトロの上場は、…

上場企業がプライベートエクイティに買収されるということは何を意味するのか?

昨今、企業の買収に関するニュースが目立つようになり、特に「TOB(株式公開買付)」を通じて、上場企業がプライベートエクイティファンドに買収されるケースが増加しています。これにより、株主構造が大きく変わるわけですが、一般の投資家やステークホルダ…

原発の技術力

自動車業界とエネルギー業界には、技術の「揺り戻し」現象が顕著に見られます。自動車業界では、EV(電気自動車)への過剰な期待が下がり、内燃機関やハイブリッド技術への再評価が始まっています。同様に、エネルギー業界では再生可能エネルギーの隆盛から…

トランコムのMBO戦略の真意を読み解く:経営陣の狙いとは?

本日のニュースによれば、トランコムがメインと連携し、MBO(Management Buyout)を通じて経営の自由度を高め、新規事業や海外展開に対する投資を行う意向を示しました。MBOによる経営権の再取得は一見、企業の新たなステージへの布石のように見えますが、果…

Amazonファーマシーはなぜピンとこないのか?—遠隔薬局の前に、まず遠隔診療が来るべきでは?

Amazonが次々と新領域に進出する中、ファーマシー事業への参入もその一つです。しかし、現状の遠隔薬局サービスには、どうにもピンとこない部分が残ります。なぜなら、医療の本質に触れる部分が欠けているからです。 遠隔薬局の前に遠隔診療が必要 薬局は医…

日本のプライベートエクイティ市場は本当に活況か?同じ顔ぶれが示す現実

日本のプライベートエクイティ市場が盛り上がりを見せている、というニュースは日々メディアを賑わせています。特に日経の記事を読むと、「プライベートエクイティが日本の企業買収に積極的」といったフレーズが目に飛び込んできます。しかし、よく見てみる…

コンサル業界のリストラ報道—実際のところ『So What』なのか?

先日、PwC米国で1,800人規模のリストラが行われるとのニュースが話題になりました。大手コンサルティングファームのリストラ報道はたびたび目にするものですが、果たしてこれが本当に重大なニュースなのでしょうか? 実のところ、コンサル業界におけるリスト…

PwCの中国業務停止、6ヶ月:羨ましいと思った人も多いのでは?

最近、PwCが中国で6ヶ月間の業務停止を命じられたというニュースが話題になりました。このニュースを聞いて、「羨ましいな」と思った人がいるかもしれません。特に、過密なスケジュールと絶え間ないプレッシャーにさらされているコンサルタントたちにとって…

モデルナの癌ワクチンに未来はあるか?

近年、モデルナ(Moderna)は、mRNA技術を基盤にした新たな治療法として癌ワクチンの開発に注力してきました。mRNA技術は、新型コロナウイルスワクチンで成功を収めたことから、その応用範囲が一気に広がり、次のステップとして癌治療に向かうのは自然な流れ…

データを超えた時代へ:AIの次なる課題は「創造」だ

現代のビジネスにおいて、AIは「分析」の力を発揮し、既存のデータから洞察を引き出す能力で注目を集めてきました。私たちはすでに、膨大なデータセットの中からパターンを見出し、予測を立て、戦略を導くAIに依存しています。しかし、ここで立ち止まるわけ…

富裕層への囲い込み戦略とデジタルサービスの二極化

最近、メガバンクや証券会社が富裕層に対して担当営業を増やすというニュースを目にしました。これを逆に解釈すれば、富裕層以外の顧客にはデジタルを活用し、最小限のサービスで対応する方向性が進んでいるということではないでしょうか。 デジタル化が進む…

Jクラブの価値評価—キャピタルゲイン狙いのリスクと可能性

今日の新聞で、Jリーグクラブが過小評価されている可能性が指摘され、キャピタルゲインを狙った取引が議論されています。たしかに赤字のクラブでも、将来的な価値向上に期待し投資する戦略は存在します。売上高やSNSのフォロワー数といった数値も、表面的な…

製薬企業の独立化はなぜ進むのか?―化学メーカーとの分岐点を探る

製薬会社がかつて化学メーカーの子会社として多く存在し、その後独立してカーブアウトされた背景には、いくつかの複雑な要因があります。これらの要因を理解することで、今後の傾向も予測できるでしょう。 まず、歴史的に化学メーカーは多くの技術的なノウハ…

トヨタの成長戦略:多様化が切り開く未来

昨日の新聞記事で、トヨタが「EVやハイブリッドをはじめとした多様な手段で顧客に貢献する」と表明していた。これは単に製品の幅を広げるという話ではない。トヨタが長期的に信頼を築いてきた背景には、常に変化する市場の中で、未来を見据えた「選択肢の準…

「フォロワーではなくリーダーに:クライアントファーストで切り拓く未来」

コンサルタントが果たすべき役割は何か。昨今、EV市場の予測に関する議論や、その他のトレンドを追いかける中で、私たちがクライアントに対してただのフォロワーになっている場面が増えていると感じることがある。これは非常に危険な兆候だ。コンサルティン…

EV失速の真実:コンサルタントが見落とした未来

自動車業界での電気自動車(EV)市場の急速な成長は、誰もが避けられない未来として語られてきました。環境問題、規制強化、技術革新の3拍子が揃い、EVの普及は既定路線とされ、多くの企業はその波に乗るべく、戦略転換を図ってきました。しかし、ここにきて…

遠隔診療は日本で普及するのか?—その可能性と課題

遠隔診療(Telemedicine)は、日本で大きな成長を期待される分野ですが、現状では利用率がわずか0.1%にとどまっています。この数字は、医療先進国である日本が抱える構造的な問題を象徴しており、テクノロジーや医療サービスの進展に対する制度的な制約と文…

富士ソフトの買収

富士ソフトは、独立系のITサービスプロバイダーとして、特にソフトウェア開発やシステムインテグレーションの分野で強みを持つ企業です。クラウド、AI、IoTといった成長分野にも積極的に取り組んでおり、多様な業界に向けてデジタル変革(DX)を推進していま…

コンサルティング業界の迷走:社会課題解決の名の下に何を見失っているのか

最近、コンサルティングファームが「社会課題の解決」を掲げるケースが増えています。もちろん、社会に貢献することは重要ですし、企業としての責任を果たす姿勢は称賛に値します。しかし、これが業界全体でのトレンドとなり、各ファームがこぞって「社会貢…

役員との対話に必要な覚悟と準備:コンサルタントの心得

日本の企業において、特に役員クラスとの対話には、それ相応の覚悟と準備が必要です。これを軽視するコンサルタントは、結果として信頼を失うだけでなく、クライアントにも迷惑をかけることになります。自信を持つことは重要ですが、それが単なる自己満足に…