経営と戦略と戦略コンサル

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SIerやコンサルに言いたい、「中身のないDX・AIの話はもうやめよう」

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI(人工知能)はビジネスの現場で大きな注目を浴びています。しかし、SIerシステムインテグレーター)やコンサルティングファームの間では、DXやAIの本質を理解せずにただのバズワードとして使われることが増えています。このような状況に対して、強い警鐘を鳴らしたいと思います。

 

なぜ案件が取れるのか?それは「内容」ではない

 

DXやAIの案件がSIerやコンサルの手に渡る理由は、その内容が鋭いからではありません。多くの場合、たまたまその企業に予算があり、そこに飛びつく形でプロジェクトがスタートします。そして、たとえ施策が曖昧であっても、「DX」とラベルが付けばある程度の成果が出るだろう、もしくは「DXの効果は測りづらい」として、失敗を回避できると考えられているのです。

 

「成果」がわからないからこそ成立するビジネス

 

実際のところ、成果が測定しづらいDXやAIプロジェクトが多いです。数値目標や具体的なKPI(重要業績評価指標)がないまま進行することが珍しくありません。そのため、DXプロジェクトの多くは、失敗してもその「成功/失敗」が見えづらく、再現性のある知見が得られにくいのです。

 

このような状況を考えると、DXにおいて「成果報酬型の契約」が見られないのは当然のことです。結果が見えづらく、具体的な指標で成果を測定することが困難なため、成果に基づいた報酬を設定することが難しいのです。

 

真の価値を生むDX・AIのために

 

我々が目指すべきは、単なるDXのバズワードを超えた「本物のDX」です。企業のビジネス戦略に根ざし、デジタル技術が具体的にどのような価値を生み出すのかを真摯に考える必要があります。そのためには、SIerやコンサルがプレゼンテーションの巧さだけでなく、深い知識と現場での実践経験に基づく提案を行うべきです。

 

企業としても、DXを導入する際には具体的な目標と評価基準を設定し、プロジェクトの進行状況や成果を継続的にモニタリングする体制が求められます。DXが成功するためには、曖昧な成果報告ではなく、具体的な数値や事例をもとにした評価が不可欠です。

 

中身のないDX・AIの話を続けるのは、もう終わりにしましょう。本物のDXが、ビジネスに実質的な変革をもたらす時代を築くことが、我々の使命です。