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日本のプライベートエクイティ市場は本当に活況か?同じ顔ぶれが示す現実

日本のプライベートエクイティ市場が盛り上がりを見せている、というニュースは日々メディアを賑わせています。特に日経の記事を読むと、「プライベートエクイティが日本の企業買収に積極的」といったフレーズが目に飛び込んできます。しかし、よく見てみると登場するプレイヤーは常に同じ。名前が挙がるのは、一部の有名なプライベートエクイティファンドばかりです。

 

これは、市場全体が盛んだと言えるのでしょうか?それとも、実際には限られたファンドのみが活発に活動しているだけなのでしょうか。

 

限られたプレイヤーの独占?

 

日本でプライベートエクイティ市場が注目される一方、買い手として目立つのは数社に限られます。これが意味するのは、マーケット全体としての活況ではなく、一部の大手ファンドの影響力が強まっているだけかもしれないという現実です。つまり、業界が発展しているのではなく、既存の大手が資産を積極的に増やしているに過ぎない可能性も考えられます。

 

「本当の活況」とは何か?

 

本当の意味で市場が盛り上がっていると言えるのは、新規プレイヤーの参入や、幅広い投資機会の創出が行われているときです。しかし現状では、日本のプライベートエクイティ市場はまだ限定的であり、参入障壁も高いと考えられます。特に、日本独自の文化や経営スタイル、規制が新規ファンドにとって参入のハードルとなっていることが少なくありません。

 

次に求められるのは?

 

日本の企業は、少子高齢化や後継者不足などの問題を抱えています。プライベートエクイティがこれらの課題に対して役割を果たす場面は今後も増えるでしょう。しかし、現時点ではその役割を果たしているのは一部の限られたファンドに留まっており、市場全体が成熟しているとは言いがたい状況です。

 

新規プレイヤーや中小規模のプライベートエクイティの参入が進み、市場全体が活性化することが、真の「活況」を意味するのではないでしょうか。

 

まとめ

 

プライベートエクイティの活躍が取り沙汰される日本の市場。しかし、その顔ぶれは毎回同じ。これは市場が活況を呈しているというよりも、限られたファンドがシェアを拡大している現実を反映しているのかもしれません。本当の活況を迎えるためには、より多様なプレイヤーの参入と市場の拡大が求められています。

 

今後、プライベートエクイティ市場が本当の意味で盛り上がるためには、どのような変化が必要なのか。引き続き注視していきたいところです。